#4 雪玉ラーメン
校庭で一人の子供が雪玉を投げている。ぱしゃり、ぱしゃりと教室の窓ガラスに雪の玉が投げつけられて、砕けては張り付いて滑り落ちる。分厚い雪雲は遠くの山の上から里の空全体を覆いつくして外はもう真っ暗だ。教職員用の昇降口から外を覗い、イルカは白い息…
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#3 遠足弁当
それは毎年のことだった。寒気がほどけ、冬枯れた木々が息を吹き返す。昼が長くなり、無闇に悲しくなる冷たい夜が遠ざかる。風の冷たさに縮こめていた手足が警戒をといて伸びやかに動き出す。そんな頃にその行事は行われる。春の遠足。遠足といったって忍を養…
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#2 秘伝チョコ
「なんだぁ、おまえら?」玄関を開けたイルカは頓狂な声を上げた。泥だらけの七斑一同が勢揃いしているのだから無理ない。「イルカ先生、カレー作って!」「はぁ?」カレーカレーと連呼するナルトから視線を上げて、カカシへ物問いたげな顔を向ける。「イルカ…
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#1 思い出カレー
路肩に停められた荷車の上で七班の下忍三人は口数少なくぼんやりと晴れた空を見上げていた。雲雀がピーチチチと高く高く昇っていく。春の陽は暖かく少し動けば汗ばむほどだ。捲り上げた袖も裾も泥だらけで、サクラは爪の間に詰まった泥を気にしている。班長の…
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